あかねいろ
と顔を上げた大斗はやっぱり真っ赤だった。
うわ…こんな大斗見た事ない。
普段の偉そうな振る舞いと生意気な姿と、かなり違うんだけど。笑えるっ
『お兄さん?どうしたのよ??ねぇねぇ?』
夕陽は笑いを堪えながら大斗の前に座った。
聞かなくてもわかるけど…テレてる…っ
すると瞳が合う。
そして大斗は目の前の夕陽の髪の毛を両手でグシャグシャにする。
『何すんのよっ?!』
『うるせぇ!!何かしたのはお前らだろ!!』
何だか必死に言う大斗が可笑しい。
『本当に…全く。嬉しいなら嬉しいって言いなさいよ。』
『ウルセェ…』
大斗は、もう小さくそれしか言えなくなっている。
『自分勝手の殿も少しは人間らしいところあるのね?!驚いた。大斗のことだからヒョウヒョウと受け入れると思ったよ』
夕陽はそっと呟く。
『…誕生日なんて、祝った記憶ない。世の中に誕生日会があるって事すら忘れてた。』
夕陽はクスクス笑う。
月がそれを照らす。
街角のワンシーン。
『別にいつも通りでいいよ。殿を発揮できる最良の日じゃない。素直に祝われればいいわ。みんな待ってるよ♪モテモテひろ君??』
夕陽はいつもの大斗みたいに少し意地悪く言って彼の肩をポンッと叩く。
すると大斗は煙草の煙を大きく吐き出して立ち上がった。
もういつもの顔になって、得意気に笑っているではないか。
『そう、だな』
そして、新しく火を点けた煙草をくわえて、ヒョウヒョウと階段を降りていった。
「ちょっと待ってよ」そう言って夕陽も立ち上がる。
大斗も以外に可愛いとこあるんだなぁ…♪
気分が良くなった夕陽は楽しそうに階段を降りて行った。
『もう、どこ行くのよバカ』
呆れ顔の咲を無視しドカッと大斗は椅子に腰かける。
『さぁおまえら、俺を祝え』
大斗が得意そうに言う横で、お腹を抱えて笑い出す夕陽はそのまましゃがみ込む。
ダメだ超可笑しい!!
ドカッ!!
大斗はそんな夕陽の頭に足を乗せる。