あかねいろ
『っ♪―…大斗ちゃんは、どうなの最近?咲ちゃんとひぃちゃんと、はたまたどこかの誰かさん??相変わらずモテモテなんでしょ?!』
恭次は負けじとヒッヒッヒッと詰め寄る。
『恭ちゃん、暑苦しいのは季節だけで充分だから。俺は何もねぇって、いつもと一緒』
「ふーん」と恭次はつまらなそうに軽く答える。
こいつは何だかんだサラッとしてて付き合いやすい。
バタバタバター!!
『てんちょーお水ちょうだい♪』
慌ただしく夕陽達が階段を降りてきた。
マスターは「店長じゃないし」と3人に爽やかに挨拶する。
『おまぇ…曲がりなりにもここは呑み屋だ。水って何だ?酒を呑め?!その浮き輪しぼませろバカ者!!』
夕陽は海の勢いが止まらないらしい。テンション高く浮き輪を被ってやって来た。
「曲がりなりにもって…ねぇ?」マスターは軽い突っ込みを入れながら、水を入れて渡してくれた。
グラスは照明が混ざり合ってキラキラと光を散らしている。
これから聞く話を予感しているように…。
『南深が何か何にも言わなくてね、もったいぶらせるのー!!』
夕陽の言葉に杏はクスクス笑っている。
『おぉ来た来た♪』
恭次は待ってましたと手を挙げる。
夕陽達は椅子に座った。
すると…
『あのね…』
と恥ずかしそうに南深が口を開くのを恭次が遮った。
『俺達、付き合うことにしましたぁ♡♡』
そして南深の肩を抱いてにっこり。
へっ??!!うっそー!!!
ブヮーーッッ!!!
夕陽は驚いて、水を吐き出してしまった。
それは目の前の大斗に直撃!!
『おまぇ…マジで一回地獄に落としてやるっ』
大斗のセリフを無視して夕陽は南深に向き返り、水をダラダラ彼女をじーっと見る。
ほんとに?!ほんとに南深ぃ…っっ!
『ひぃちゃん…汚い…』
南深はちょっと照れながら笑った。
『ひぃちゃん、可愛い顔して、自分でソレ自覚ないの?!本当にイイキャラしてるよ』
恭次がツボにハマってクックックッと笑っている。
ゔーっうれしぃ…