あかねいろ
『何が何がぁ??』
杏が興味津々聞いてくる。
『神崎くんが女の子と喋るの。中学の頃、女の子に限らず、ほとんど自分から人と交流することなかったんだって』
『そうだよね?神崎って愛想良いけど、ひぃちゃん以外の女の子と自分から話してるの見たことよね?』
納得して杏が頷く
『違うってっ!!ただ初めて会った時にあたしが大斗にハートマーク付きで話さなかったから珍しいって面白がってるだけよ!!』
大きな声を出す。
もう嫌だ…違うってばっ!!
『ごめん、ごめん!!ひぃちゃん!!』
杏は苦笑いで返した。
『そうだよね…別に何かあるわけじゃないんだもんね??変なこと聞いてごめんね…』
南深が少し申し訳なさそうに言った。
え…っ
何か…?
何にも…?
ない…?
…―。
ポロ… …
『ひぃちゃん??!!』
夕陽はフォークを落としてしまった。
『ありゃりゃ…』
と、ぼーっとしながら拾うのを杏達が不思議そうに見ていた。
『ねぇ…?何か…あるの…?』
南深が呟く。
『ひーちゃん♪』
拾い上げると杏がにっこり笑うので、つい白々しく瞳を反らしてしまった…。
『…―///』
あーっ!!…しまったっ
絶対バレてる…?!
気まずっ!!
大斗に「お前は言いたいこと身体からでまくってるのに…」って…
あたしは「わかりやすい」って言われていたんだ。
きっと今もバレバレ…?
『神崎と何があるの?』
杏の見透かした笑顔が…
もう後戻りはできません…
でも…
まぁいっかぁ…
気にしないって思ったんだし…
『あのね、立川先輩と揉めた時とか、拓ちゃんに会ってパニックしてる時とかに…』
夕陽は気まずそうに笑って話し出した。
『ちょっと軽く…キスされたっそんだけ。もう!!そんだけ!!』
とバサッと言ってカフォオレを平然と飲む。
『『キスーっ?!』』
南深と杏、2人が同時に大声をあげた。