あかねいろ
大斗ったら…話、超飛躍しまくってる…
変なの…
『咲が居てさ。マスターと雪那さんの…笑った顔になんか、すげー安心して、言葉が胸に染みちゃって、だせーけど、また泣き出してさ』
でも…
何故だかとっても心地良い…
『12歳のガキに酒を出すBarも何だよって感じだけど、そんな一般常識なんてマスター達には全く関係なかったんだ。』
『そう…』
クスクス。
なんか…笑えちゃうよ…
『何笑ってんだよ?!』
なんかメチャメチャだけど、一生懸命話そうとしてる大斗が可愛い。
『明日、久しぶりにお弁当作るよ?何がいい?』
優しく夕陽は話す。
『ハンバーグ』
即答だし。
『小学生みたい…』
『うるせぇ…好きなんだ。わりぃか?!』
大斗って食べ物の「好き」はわかるんだ…
『悪くないよ』
あたしは…笑い返した。
あぁなんだか物凄く雪が心地良い…
暖かい…
『俺…もっと考えてみる…』
大斗は雪の中で笑っていた。
とても…綺麗な顔だった。
あたしの瞳に映る大斗と粉雪の画面に…
少しドキッとしてしまった。
後は何も言わず、挨拶も手を振ることもせず、大斗はそれだけ言って帰って行った。
何だか、何かが変わっていく…
そんな気がしてしまった。
あたしは…深々強まる雪とバイクで走り去る大斗の背中を見つめ思ったんだ。