あかねいろ
『でさ、しばらく廊下でエロ本広げて座談会だよ♪したら大斗はエッチシーン指差して、また「これ何?」ときたもんだ。オイオイ聞くか?って感じ』
『でも…恭次は「SEXだよ知らないの?」って平気で返してきただろ?』
『そうそう、そしたら「知ってる」とか言うんだよ大斗は。マジで、じゃあ聞くなって。』
『懐かしいなぁ』
大斗は空を見上げて言った。
気持ちの良い冬の空…
『俺たちさ、クラス違ったけど、それから良く話すようになってさ♪』
恭次も楽しそうに続ける。
テンポよく交わされる2人の会話が
"仲良いんだ"
と言う事を映し出してるようだった。
きっと、その時大斗は凄い嬉しかったんだろうな♪
夕陽は2人を見ながらクスクス笑い出した。
『何言いたいんだよ?そこのブス!』
夕陽の笑いに大斗は少し不機嫌に答える。
『べっつにぃ~』
と返す夕陽に恭次が続ける。
『大斗ちゃんは実は、さみしがりやだからなぁ♪可愛いから高校俺と合わせちゃって♪』
『恭次が「一緒の高校いかね?」って誘ったんだろがっ!?』
『冗談で言ったつもりが大斗ったら本当に勉強しだすんだもん。正直焦ったよ』
『こいつは自分は可愛い幼なじみに合わせて高校決めてたわけよ。』
悪戯顔で夕陽に話す大斗。
『幼馴染って南深だよね?』
『そっ♪俺に新藤さんをよっぽど会わせたくなかったんだぜっ恭次は、わっははっ♪』
『そりゃそうだ。大斗に毒されちゃ堪ったもんじゃないよ』
サラリと恭次は返答す。
『恭次くん素直ぉ♪』
何だか嬉しくなってくる。
恭次くんはその頃から…
ううん、もっと前から…
南深の事が好きだったんだよね?
そんな顔♪
しっかし付き合うのにすごい時間かかってるし。
『おぃ!!恭次、コイツ多分今、お前が新藤さんと付き合うまでに"えらい時間かかってるし"とか思ってるぜ』
クスクス笑う夕陽の横で大斗は言った。
『あははっ♪その通りだけど、今が良ければいいさ♪』
『「今が良ければ」じゃないでしょバカ!!』