あかねいろ
!!??
夕陽とも大斗とも違う声が突然聞こえた。
3人が振り向くと顔を真っ赤にした南深が頬を膨らませて立っていた。
『うゎ!南深!!何やってんだ?』
途端に真っ赤になる恭次。
大斗は声を殺して笑っている。
『何やってる?はこっちのセリフだよ。ひぃちゃんも神崎くんも居ないから、ひぃちゃんに電話しても出ないし、まさか?って思って恭次にかけたら出ないし、ここかなって呼びに来たの!!』
真っ赤な顔で言う南深。
怒ってるのになんか可愛い顔♪
夕陽も声を殺して笑い出した。
『ンもう!!ひぃちゃんと神崎くんは次数学だよ?2人はこれ出ないと補習だって言われてたじゃん!!』
南深は呆れて言った。
『『うわぁぁぁ!!!』』
夕陽と大斗が同時に声を上げた。
そして、あっと言う間に行ってしまった。
『さぁ、バカ恭次も教室いくよ?』
南深は恭次の手を引いて立たせようとする。
!!
『わっちょっと…!!』
その手を恭次は逆に強く自分の方に引っ張った。
南深はポスンと恭次の胸の中。
『ちょっきょきょきょうじっ!!教室っ!!』
『きょうじ?きょうしつ?これギャグ??』
『ばか。そんなわけないじゃん!!』
『みぃちゃん♪たまには一緒にサボろうよ?お前は数学出なくても平気でしょ?』
『そ…そだけど…』
真っ赤かな南深は小さく呟く。
『今日の夜は星がよく見えそうだから、夜もどっか行こうか?』
綺麗に澄んだ冬の空。
『うん…///』
やっぱり真っ赤な南深は小さく頷く。
――――――――
屋上から出るとバタバタ廊下を走る夕陽達。
手に小さな雪だるまを抱き抱えて騒ぎながら走っていく。
『大斗ぉぉぉ!!あたし宿題やってないっ』
『そんなもん知らん!!俺だって昨日の今日だ!!やってるわけねぇだろ?!』
『夏みたいにもう補習は嫌だぁぁぁぁ!!』
『叫ぶな!!うるせぇ!俺だって嫌だ!!いいから黙って走れ!!』