あかねいろ



「はいはい」と夕陽は携帯を差し出した。

『番号だせよ!!』


そうだ…!!

大斗は、まともに携帯使えなかったんだ…


夕陽は番号を表示させた。


『あ?マスター?俺。携帯スリーポイント決めてまた破壊したから買ってくれ♪それと後で行くねぇ♪』


用件を一気に言ってすぐ電話を切った。


もう、本当…マイペース…



大斗はきょとんとしている周りをさておき、携帯を夕陽に返すと平然と椅子に座る。


何か…テンション変…?

まぁ昨日の今日だし、しょうがないか…?


― ― ― ― ― ―


それからは鍋を囲んで、みんなで楽しく過ごした。

大斗はひたすら黙々と食べていた。


『片桐さん、これもう食べれるよ』

鍋に少し遠い所に夕陽がいるので、雅は気を利かせて声をかける。

『あ♪取って取って♪』

夕陽もにこにこ返した。


すると…


スコーンッ!!


『イッタァ…っ??!!』



向かいからミカンが飛んできて、夕陽のオデコに直撃した。

『何すんのよっ?!』

机に落ちたミカンを掴んで投げ返そうとする。


その先には大斗。


『それ食いたい』

彼は平然と答えている。

『はい?意味わかんないんだけど?!勝手に食べなさいよ?何で投げるのよっ??』


『ふざけんな?!!皮を取れ皮をッ!!』



コイツ…ッ!!


『ふざけてんのは大斗でしょ?アンタ…何様よ?!』

と夕陽は大斗を睨み付ける。

『俺様♪』

ヒョウヒョウと返答。


でた…ッ!!


「全く…」と言いながらも夕陽はミカンの皮をむく。

そして、ポイと投げ返した。


恭次はそれを見てなぜか驚いた顔をしていた。


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