あかねいろ
『でもね…なんだかとても、切ないんだ。』
『うん』
『咲さんが大斗を想って離れたことは、あたしにはやっぱり、わからないよ。…でも、話しをする咲さんを見てると、どうしようもなく…甘く甘く大斗を想った愛の形だと見えてしまうから…』
『そうだね…咲はあぁ見えて不器用だからね…ずっと悩んでいたのを僕は知っている。その内容はいつも大斗を想っての事だったよ』
『うん…。大斗は…大丈夫なのかなぁ…?』
『大斗はね、色んな事向き合わずに、無理矢理見ないでいたからね…』
『うん…でも、その気持ちもわかる…気がします。咲さんが周りを…包む、優しい力に委ねられたら、誰だって「何も考えなくて良い…忘れてしまう…もう、忘れてしまおう」って錯覚しちゃう…』
『夕陽ちゃんは…感性がいいね』
へっ…?
あたしがマスターを見ると、やっぱりほんわか笑っていた。
『大斗は今を越えないと、前に進めないからね…』
それ…
『咲さんも…言っていました…』
マスターは頷く。
『同じ事を咲にも言える。2人はもう離れていてもきっと平気だよ』
あたしは妙にホッとしてしまった。
『大斗はこれからもっと、自分を見つめて付き合っていかなきゃいけない…そうすぐに上手くはいかないだろうけれど、僕は見守ろうと思うんだ…』
そうだよね…
『あたしも…そうしたい…』
夕陽は小さく答えた。
ブルーの液体が少し切なく…
でも、なぜだかすごく優しく感じられた。
『スイートブルー…素敵だね♪』
『でしょ?』
と満足気に答えるマスター。
『大斗…相変わらず・・・』
大斗がお客さんの元に居るのを見ながら呟く夕陽。
『大斗の事…気になる?』
『気になる…て言うか…何だろう?この気持ち…良くわからないや…。ただね、ちゃんと元気になってくれたらいいなぁって思います』
『そうだね…夕陽ちゃんの出来る形でいいから、アイツを見守って欲しい…僕は、前にも言ったけれど、大斗も夕陽ちゃんも見守っているからね』
『ありがとう…ございます…//』
胸がいっぱいだよ…マスター…
ありがとう…