あかねいろ

大斗は相変わらず常連客に呼ばれて、あちこちあちこち。

それを見た雅が

『神崎ってすごいな…』

と呟く。


『すごいって…本当に末期でしょ…』

呆れて夕陽は答えた。


『前からあんなんよ、あれが大斗の本質。最早驚きも無いわ…』

『そう…なんだ…』

雅は何を思ったのか、ポツリと呟いた。

そして、恭次に呼ばれてダーツをやりに行ってしまった。


あ♪みいちゃん発見♪

南深はいつも恭次くんの隣♪

その時の顔が一番可愛いなぁ♪


恭次の横で、楽しそうに笑う南深を見て思う夕陽だった。


『夕陽、元気だったか?』

『拓ちゃん♪今日はいきなりごめんね♪』

夕陽は笑いかける。


『結衣さんも会えて良かったです』

文化祭の時とは違う穏やかな夕陽の顔があった。


大斗はそれに気付いて小さく笑うと、こちらへ戻ってきた。


『小田桐おっすー』

『大斗、ここ良いBarだな?』

『当たり前』

大斗は得意気に返す。


『聞いたよ』

と拓巳。

『あぁ』

と一言大斗。


って?なんの事?


きょとんとする夕陽に

『拓ちゃん、全くわけわかってないヤツがいるけど…』

と訳知り顔で夕陽を見る大斗。

拓巳は夕陽に向き直り、にっこり微笑む。


ドキッ


『いちいちドキドキするなよブス♪』

夕陽のドギマギする顔を見てさらに大斗は続ける。

『うるさいなぁっ!!』


ってか…謎っ


真っ赤になりながら思う夕陽。

『謎だって、教えてやれよ小田桐』

と大斗は拓巳に言う。


『あはは。そうか大斗は夕陽の通訳だな?!』

そして、拓巳は話し出した。


『咲から連絡もらったよ、出発前に。突然で驚いたけど、あいつらしいな。』

と夕陽に言う。


あぁそうか…


『た、拓ちゃんは光輝さんの事、知ってるんだっけ…』


ハッとなって小さく呟いた。

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