あかねいろ
と…
『60!!59!!』
周りに歓声が上がった。
年越しのカウントダウン。
夕陽も数え出す。
みんなも真ん中に集まってきた。
『10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!!0!!!』
『『ハッピーニューイヤー!!!』』
新年を迎えた。
光輝く新しい日々の始まり♪
“ヒカリカガヤク”・・・
光輝さん…良い名前♪
『かんぱーい!!』
再び乾杯をする。
みんなそれぞれ挨拶を交わし、騒ぐ。
しばらくして、大分騒ぎが静まると、夕陽が座る所に大斗はやってきた。
そして
パッと両手を差し出す。
『何?』
『お年玉くれ♪』
大斗はにっこにこで言った。
はいっ?
『あのねぇ…?』
怪訝な顔で大斗を睨む夕陽だが、「あ!!そうだ♪」と鞄を漁る。
『はい♪』
と何やら取りだし大斗の前に差し出した。
『ついでにバレンタインおめでとぉ♪』
とストロベリーの板チョコを彼の手の中に納めた。
『さっき、おいしそうだったから買ったの♪』
『お前…バレンタインは早すぎだろ?お年玉にお菓子だなんて俺は子どもか?!』
そう言いながらもチョコレートを受けとる。
『身体だけ大きい幼稚園児ね…。大差ないわ。子どもには大事な可愛さ微塵もないけど…』
とサラリと返す。
『たく…減らず口…』
『どっちがよっ?!』
『まぁいいや♪じゃぁ、これは俺からホワイトデー兼お年玉ね』
そう言ってアイスを差し出す。
それを見て夕陽はクスクス笑う。
『『苺♪』』
2人の声が揃う。
『来年もよろしく』
と大斗。
ん!?
『来年って今年でしょ?始まったばかりなんだからバカね?!』
『バカは夕陽。来年もよろしくは来年もよろしくって事。溶けるから早く食え。』
とチョコレートの包みを開けながら言う。
なんだか…変なの。
『意味わかんない』
あたしは、小さく答えるとスプーンを手に取った。
きっとしげさんが手作りしたんだなぁ♪