あかねいろ
『おいしい♪』
笑って言うと、瞳の前の大斗は満足そうに笑っていた。
“今年も来年もよろしくっ”て事で…
いいかな??
――――――
明け方になって、各自Barからでる。
『『初日の出ーっ!!』』
階段の上ではしゃぐ夕陽と大斗。
太陽が気持ち良い…♪
夕陽は大きく伸びをしてから大あくび。
『ブス』
そんな姿を大斗は見過ごさない。
こんのやろっ…!
『よし、帰ろう♪そして寝よう♪初夢見なきゃ♪』
清々しい新年の朝だった。
『拓ちゃん結衣さんバイバイ♪南深たちもまたね♪戸塚君も…』
とみんなに挨拶をする夕陽の言葉に乗せるように
『片桐さん、送ってくよ』
大斗が他の人と話している内に、すかさず雅が声をかける。
『えっ?あっうん』
夕陽は弾みで返事をしてしまった。
大斗が気付いた時には、夕陽と雅の姿は傍にはなかった。
あれ?夕陽が消えた…神隠し?
大斗は暢気にそんな事を思っていたが、ふと夕陽達が通りを曲がる姿が目に入った。
『げっ!!アイツ…っ』
それを見て大斗は思わず独り言を言ってしまう。
何なんだ…?アイツ…?!
『大斗?』
『あぁ!?』
名前を呼ばれて大斗が答えて振り向くと恭次が居た。
『何でそんな不機嫌なの?』
と恭次は聞いてくる。
『別に。』
そう言うと大斗は階段を降りて行ってしまった。
『あららぁ…?!』
そんな姿を見て恭次は呟いていた。
――――――
な…なんか、流れで来ちゃったけど…
無駄に緊張するぅー
『片桐さん?家こっち?』
『そ、そう…』
なんて慌て振り…
あっという間に家の近く。
『ここで良いよ♪』
と曖昧な場所で停まると言った。
家…見せるのもね…
『そっか、今日は呼んでくれてありがとう♪』
『うん♪楽しかったね』
『…―!!そうだ…』
少し躊躇い気味に雅は口を開く。
『初詣行かない?』