あかねいろ
『明日、戸塚君にお昼くらいに初詣誘われてて、南深達も行けないし、大斗はどうかなって思ったんだけど…』
〈あ?俺が行くと思うか?おまぇ…――〉
あ゙ーっもう!!
ここ声…こ、怖いぃーっ!!
『あ゙ーっ!!やっぱいい!!電話しちゃってゴメンねっバイバイ!!』
ピッ
しっしまった…っ、!
一気に喋るだけ、喋って…
勝手に切っちゃった…
やばい…
大斗何か言いかけてたような…
でもでも、何であんなに機嫌悪いの…?
あたし、何にもしてないよねぇ…?
何かの八つ当たり…?
でも…そんな感じでもないような…
電話かけ直しずらい…
ゔーっ
どうしよう…
…
…
どうしよう…
…
…
―――――
ま、眩しい…
??!
『っうっわぁぁぁああ!!!』
あ…朝だし…
夕陽は悩んでいる内に携帯を握ったまま寝てしまった。
ヤバい…着付けもあるんだ…
行かなきゃ…待ち合わせ…
夕陽は急いでシャワーを浴びて家を出た。
―――――
『片桐さーん♪』
あぁ…
戸塚君は爽やかだ…
夕陽は大斗との電話が気になり何故か後ろ髪引かれる思いを抱いて待ち合わせ場所に来ていた。
お正月三が日と言うことで、神社には人が溢れている。
『おはよう』
夕陽の紅色の着物が日の光にキラキラしている。
『似合ってるー♪』
『あ…ありがとう』
照れ臭くて下を向いた。
『行こうか♪』
『あ…うん』
雅の少し後ろに続く夕陽。
…楽しまないと、戸塚君に失礼だよね?
大斗には、夜もう一度連絡してみよう…
『ヨーヨーやりたい!』
気を取り直して、目の前の屋台を見て夕陽は言った。
『行こうか?』
『うん♪』
そういえば…夏祭り、南深と来たなぁ♪
懐かしい。同じ神社だけど、夏とは違うなぁ…
ヨーヨーを持って先へと進む。
『おみくじやるー!!』
『片桐さん気が多い♪』
楽しそうに夕陽を見て雅は笑う。