あかねいろ


ああああたし、何か…

妙にドキドキしてきたっ



って「相手大斗だし」

っつーか「相手夕陽だし」

「「意識する必要ない」」



2人は各々の場所でそんな独り言を言っていた。

そして大斗はベンチに帰ってきて飲み物を渡すと、何食わぬ顔でお弁当を食べ出す。


『ねえ?家に帰ってなかったって遊び回ってたの?』

『どいつもこいつも俺はどんなイメージだよ?』

『チャラ男♪』

『バカヤロウ。違います。起きたら店の時間で帰ってきて速攻寝てた。寝過ぎてた』

『よく寝ると身長伸びるって』

『そうなのかっ?それ困る!!』

『よくそう言うだけ。本当かどうかは知らないよ』

『もう身長いらねぇ…』


大斗はポツリと呟き煙草に火を点ける。


夕陽はクスクス笑っていた。


――――――


『ひどぃ…』

再びドアを開ける。

『それさっきも聞いた』

玄関先で再び固まる2人。


『よし!!お腹いっぱいになったし、気合い入れてくよ?返事は?!』

夕陽が意気込んで急かす。

『ういー』

大斗はやる気ない返事を返した。

ゴミ袋を各々掴んで、明らかにゴミな物を入れていく。





つーか…俺…





あの日…






『『うっわぁぁぁあ!!』』

2人は何かにハッとなって、また同時に叫んでいた。




うわぁぁぁぁあっ!!



そう言えば…



あたし、あの日…



ここで…


あたしっ







『急にデカい声出すなよ?ビビる…』

呆れた声で大斗は言った。


『なになに何よ?大斗だって言ってたじゃん?!』


『うるせぇ俺の家だ。』

『んなっ!!それ理由になってないしっ』


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