あかねいろ

『うるせぇっ手を動かせっ』

『あーもうムカツクってイッタぁぁぁっ!!』

スコーンッと夕陽の顔にティッシュ箱が飛んできた。

『何すんのよ?!』

大斗はお腹を抱えて笑い転げている。


コイツ…っ!!


あたしは頭にきたから、負けじとその辺の物をバンバン投げてやった。


『いってぇな!!』

『うるさい!!バカバカ!!』

しばらく投げ合いは続く…


あ…?!


そんな中、夕陽は一冊のアルバムを発見。

『卒アル?』

『あーそれ、中学の。ちなみにダークな小学校時代のは捨てた♪』

『そこは聞いてない。ってか見ちゃお♪』

とページをめくる。


『ゲッ!モテる♪ランキング…神崎大斗…1位…ちなみに恭次くんのクラスは恭次くんなんだ…』

『すげーだろ?』

『すごいって言うか…何か違う意味で凄いわ。むしろ恐い…』

『お前♪ヤキモチやくなよ?』

『焼きません。あのねぇぇ?大斗さん…喧嘩売ってる?』

『おぉ?!喧嘩するか?ちなみに俺、喧嘩が強そうランキングも1位だぞ』


勝ち誇った顔で言う。


強そうってゆうか…


『強いんでしょ…』

夕陽は一言返すと後は、我がもの顔の彼を睨み付けることしかできなかった。


おめでたい人…


『まっいいや♪作文読もう♪え〜と大斗のはっと…』


『うゎっそれは見るな!!』

大斗をひと睨みしてから構わずページを開いた。



?。



『なにこれ…!』


そこには大斗のページいっぱいに筆ペンで書かれた2つのフレーズと名前。


殴り書きされた
【天下統一!!】


ハートマークで散りばめられた
【清く正しく美しく♪】


平仮名のガタガタの文字
【3ねん3くみ♪かんざきひろと♪】


だった。


「はあぁ」とため息ついて、何やら観念したのか大斗は話し出した。


『それ…半分咲が書いたんだ…』

とポツリ。


『卒アルなんて書く気なくて、提出日は学校さぼって昼から咲と呑んだくれてたら、家まで紙持って恭次が来て…』


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