あかねいろ
『なかなか面白い展開になってきたんじゃないか?』
『マスター♪言っちゃったねソレ♪』
アハハッと恭次は笑って返した。
『最近ね、大斗変なんだ。ボケーッてしちゃって♪本人は全くわかってないし♪全てが、ひぃちゃん絡みかはまぁ、わからないけどさ。学校でも面白いよ♪』
『はは♪そうか。まぁ大斗は本当に疎いからなぁ…』
『『まだまだ…時間はかかるなぁ…』』
恭次とマスターの呟きが重なった。
――――――
つーか…何なんだ?
あいつ等はっ!!
あーっ!!
イライラする!!
つーか…夕陽…?
何で?
お前は言うこと聞いてくれるから仲良いだけだよなぁ??
大斗は心の中で夕陽に話しかけていた。
そして、何を思ったのか携帯を取り出し発信ボタンを押す。
『・・・』
〈もしもーし…もしもーし?アレ??もしもしぃ??〉
つーか…「恋」って何だよ?
『こい?』
〈はぁ?何?「来い?」アンタねぇ?やっと喋ったと思ったら何?今何時だと思ってるのよっ?!夜中の12時30分よ?乙女をこんな時間に何処に来させようとしてるわけ?〉
受話器から怒鳴り声が聞こえた。
『ちげぇ…「恋」じゃねぇよ…』
〈はぁぁ…?じゃぁ…何よ?〉
『あー…?「こいじゃねぇから」今から行く。』
〈はい?ちょっとどうしたわけ?ねぇ―…〉
まだ喋っている携帯を無視して電話を切った大斗はバイクに乗った。
あの言い振りはなんだ?
間違いなく女として見る対象じゃねぇ…うん。