あかねいろ


ガッターンッ!!


大斗は横から椅子に座る恭次を蹴っ飛ばした。

『ちょっと大斗っ!!いきなり何すんの?恭次くん大丈夫??』

慌てながら夕陽は言う。


『知るか。帰る。夕陽来い!!』

『えっちょっとぉ!!だから来い来いなんなのってばっ』


夕陽は恭次が立つのを見届けると焦って大斗を追いかけた。

『マスター、恭次くんゴメンね!!さすがにこの、ちょんまげは気まずいから帰るね!!』

とパタパタ出ていった。


『びっくりしたぁ!!』

再び椅子に座ると恭次がマスターに言う。

『何が?大斗の事?』

『違う。ひぃちゃん…!ひぃちゃんさ、ただでさえ可愛いのに、学校とか普段抜かりなく化粧とか身だしなみ完璧なんだ。』

「なのに…」と恭次は続ける。


『大斗に会うだけなら、あんなラフな格好しちゃうんだなって…ちょんまげも可愛いけど♪ただ…普段がいつでも完璧な分…』

『「どうでもいいから」っていうわけじゃなくて、「気を許してるから」って事…か?』

『そう!!』


恭次は2人が出ていったドアを見つめ驚き顔で言っていた。


――――――


『大斗ぉー結局何だったのよ?』

スイートブルーの階段を先行く大斗に夕陽は声をかける。

『うるせぇ!!』

大斗は振り返る。

『「うるせぇ」って…大斗が呼びつけたんでしょ?』


あーもう!!うるせぇなぁ!!


『だから…『大斗君?』

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