あかねいろ
大斗の身体はなんとなく熱を帯びる。
本当なら冷たい夜風も全く冷たいと感じなかった。
『俺…夕陽にキスしてるんだ…』
大斗はポツリと言った。
ゲホッ ゲホッ!!
恭次はびっくりして噎せ反って
『はい?』
瞳を見開いて大斗を見てくる。
『気付いた時には…身体が勝手にしてて…実はもう何回か…』
『マジかよ?ひぃちゃんは何て?』
『つーかそれ事態を気にする場合じゃなかった…。あいつはパニックから泣き止んだ。そういう時、いつもどっちかが訳分かんなくなってたから…』
『なんか…非常にわかりにくいな…。』
恭次は眉をしかめる。
『まぁ…でも、その頃から大斗は、ひぃちゃんが特別だったんだろうね?!』
そして…
恭次は「お前…顔赤いぞ?!」と柔らかく笑っていた。
さらに空を見上げて続ける。
『お前の名前に入ってる「北斗七星」今日良く見えるよ…』
『何だそれ?男2人しかいない公園で気持ち悪い…』
『まぁ、別に意味はないけどさ、クマに変えられた母親とその子どもとの間に「擦れ違い」があって、最後は悲しい運命だったわけ、そんで星座になったのよ』
『はぁ…』
『ひぃちゃんと大斗は親子じゃないけど、あんまり「すれ違わないように」って感じかな?』
『良く分かんないけど…相変わらず、恭次はそう言うの詳しいよな??』
『まぁね♪しかも今さら?』
…
『今さらだけど、ほんとお前はすげーよ』
何を思ったのか納得している大斗だった。
『お前も何て言うか…もう少し、素直になってみれば?その気持ちを「何か」って認めるのは大斗次第。これからどうするかも大斗次第。焦ること無いから自分の気持ち考えてみればいいよ』
『自分の気持ち…?』
『それがあった上で動く無意識の行動なら有りなんじゃない?』
『なんか言葉理解すんの難しい…』
軽く笑顔の恭次は続けた。