あかねいろ
『んじゃ♪用事は済んだから、南深帰ろうぜ!!』
と恭次は南深の腕を引く。
『あ、バイバイ。ひぃちゃんそれ食べてね〜♪』
そう言い、ちょっと照れながら南深は恭次と教室を後にした。
『仲良しだよねぇ♪羨まし♪』
2人が出ていくのを見て夕陽が言った。
『あいつら…なんの為に学校来たんだ…?ウザ』
大斗が呟く。
『ひぃちゃんにお返しするだけの為みたいだね♪これから2人はホワイトデーのデートかぁ♪』
なんだか楽しそうに杏が答えた。
『さてと、じゃぁ俺も身が在る内に早いとこ消えようっと』
大斗は教室を出ていった。
『はい?』
と夕陽。
『どうしたんだろうね?』
残された2人は不思議そうにしていたが…
『神崎君居るかなぁ?』
間も無くドアには大斗を呼ぶ女の先輩の声。
あー…
なるほどぉ…
『あんちゃん…あたしわかっちゃった。ホワイトデーは言わば告白の返事する日だよ。大斗の場合、あぁやって、みんなにまた囲まれるんだよ…オメデタイね』
ヤレヤレと呟いた。
『そういえば、ひぃちゃんは神崎にお返し貰ったの?』
『あー…別に。何にも…』
そういえば…
大斗ってば「チョコレートくれ」って人の鞄漁ってたわりには…
別にお返しされたいわけじゃないけど…
結局、他の子たちと一緒の扱いじゃない…
なんか、それはそれで良い気しませんけど…
『ひぃちゃん♪顔恐いよ♪』
杏が妙な笑顔で突っ込んできた。
『もう!!あんちゃんっ!!意味深に笑わないで!!HR始まるし!!』
少し逃げるように夕陽は席についた。
――――――
あっという間にお昼休み。
夕陽はポケットから携帯を取り出す。
すると…
チャリン。
同時に何かが飛び出して床に落ちて小さな音が鳴った。
ん?
何かな?
と拾いあげる。
『鍵?』
何故入っているのか、自分では何の鍵かわからないモノである。
コレ、どっかで見た事ある気…する…
はて?
!!
あ!!