あかねいろ
なんなの?!なんなの?!なんなの?!なんなのなんなの??!!
大斗????!!!
ヤバイ…身の危険を感じる…
なのに…
無理だ。
なぜか…大斗の強い瞳力に捕らえられて視線が離せない。
大斗の片手が…
あたしの頭の後ろに回る…
もう片手は腰に添えられている。
そっと…彼の元へ引き寄せられるあたしの顔…
抵抗する事もできず、なぜか冷静に自らの実況中継をしている自分…
そろそろ…瞳をつぶろうかな…
あたしは…魔王の黒魔術にかかったのかもしれない…
駄目…墜ちる
墜ちたら…駄目なのに…
―♪―♪―♪―♪―♪―
プルルルルー
プルルルルー
プルルルルーッ
唇が触れてしまうギリギリの時、家の電話が鳴った。
ビクッ
電話に驚き大斗の腕の力が緩んだ。
あたしも、その拍子に魔術が溶けたらしい、バッと勢いよく身体を上げる事に成功。
大斗も、まるで"何が起こったんだ?"と我に還ったと言う様子で身体を上げた。
きょとん。
と2人ともなっていて、身体は向かい合って座ったまま、顔だけは鳴り続ける電話を見つめた。
プルルルルーッ プルルルルー
―プツッ
〈只今、留守にしています〉