あかねいろ

なんなの?!なんなの?!なんなの?!なんなのなんなの??!!



大斗????!!!



ヤバイ…身の危険を感じる…



なのに…



無理だ。

なぜか…大斗の強い瞳力に捕らえられて視線が離せない。



大斗の片手が…


あたしの頭の後ろに回る…

もう片手は腰に添えられている。


そっと…彼の元へ引き寄せられるあたしの顔…


抵抗する事もできず、なぜか冷静に自らの実況中継をしている自分…



そろそろ…瞳をつぶろうかな…




あたしは…魔王の黒魔術にかかったのかもしれない…


駄目…墜ちる


墜ちたら…駄目なのに…




―♪―♪―♪―♪―♪―


プルルルルー

プルルルルー

プルルルルーッ



唇が触れてしまうギリギリの時、家の電話が鳴った。



ビクッ





電話に驚き大斗の腕の力が緩んだ。

あたしも、その拍子に魔術が溶けたらしい、バッと勢いよく身体を上げる事に成功。


大斗も、まるで"何が起こったんだ?"と我に還ったと言う様子で身体を上げた。


きょとん。

と2人ともなっていて、身体は向かい合って座ったまま、顔だけは鳴り続ける電話を見つめた。


プルルルルーッ プルルルルー


―プツッ


〈只今、留守にしています〉





< 313 / 469 >

この作品をシェア

pagetop