あかねいろ

『他のクラスとか先輩ん中とか、結構ひぃちゃん狙ってる奴等多いんだよ?』


そりゃ…夕陽にちょっかい出してくるヤツは

先輩とか他のクラスのヤツだったけどっ…


『大斗がほっといて良いって言うならいいけ―…』


バンッ!!


恭次のセリフが終わらない内に大斗は立ち上がり教室を出ていってしまった。

大斗を見ていた周りはもちろん2人の会話は聞こえていないので、声をかける間もなく唖然としていた。


ったく…余計な事を言いやがる…

イライラする…


大斗はダラダラと夕陽のクラスへ向かう―

廊下には下校する生徒で溢れ返っていた。


すると…

『俺、片桐夕陽と喋っちゃった♪』

大斗の耳にこんな声が聞こえた。


はいぃぃっ??!


『マジで?知り合いになったのかよ?紹介して♪』

『どうしよっかなぁ??それにしても、可愛いよなぁ〜♪』


ちょっと待て。

何なんだ?アイツ等…ッ!!

殴ったら…駄目だよなぁ…

ムカツク…


大斗は走り出した。


バンッ!!


6組のドアに激突しそうになって勢いよく止まり中を覗くと同時に

『夕陽!!』

と叫ぶ。

『あ♪サル♪』

夕陽は呑気にクラスメイトと喋っていた。



つーか…周り全部男なのは何でだ?


夕陽を囲むのはクラスの男子生徒。

『あれ?やっぱり神崎は彼氏?』

中の1人が夕陽に問う。

『あはは♪違うよ♪仲良しなだけ〜♪』

と周りに、にっこりと笑うと「ちょっと行ってくるね♪」と夕陽は大斗の方へやって来た。

『どしたの?』

と大斗へ質問。

『いや…別に…』


そういや…理由ねぇ…


『はぁ?意味分かんないし』

『お前が俺に会いたいかなぁって来てやったんだ。帰るぞ!!』

『へっ…?!』


あーっもう早くしろよバカっ!!


『5!4!3!…』

大斗は自分でも無茶苦茶言っている気がしたが、とにかく何でもいいから夕陽を連れ出そうと必死の様子。


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