あかねいろ
神崎君も咲さんも、あたしに勝手に苺パフェを頼んだ。
苺を好きだとは一度も言っていないのに…。
「苺っぽい」と2人が言うイメージと「あたし」は自分の中で噛み合わなかった。
でも、苺は好き
けど、きっと…
今からもっと好きになった、と思います…
ちょっと照れくさい。
大斗が夕陽を見て声を殺して笑っていた。
咲と自分の考えが同じことにか、赤い顔の夕陽を見てか…
彼女にはわからないが、でもなんとなく、その両方な気がした。
何も言えなくなって、うつ向く。
テレくさい…
〜♪〜♪〜♪〜
大斗は煙草を消すと携帯を持って席を外す。
すると
『夕陽ちゃんありがとね』
咲は突然言った。
『え?』
夕陽は顔を上げる。
『アイツ、なんだかんだ言いながらも、学校楽しそうに行ってる。心配してたんだ。夕陽ちゃんとか良い友達に出会えたからだね。そうとは言わないけど、アイツのカラダがそう言ってる』
ふわりと咲は優しく語る。
『それに…コレ…』
そう言って夕陽に何かを見せてくれた…
キラキラ キラキラ + +
??
あっ…
咲の手に揺れるのは、夕陽がいつか見た綺麗なキーホルダーだった。
『それ…っ!』
あの時の女の人は咲さん?
『あの時は、本当にありがとう』
『え、うそっ!!』
あの時はサングラスだったし、格好も大人っぽくて、髪型もアップだったから…
気付かなかった…。
見た目だけでなくあの時と今の咲とは雰囲気が全く違う…。
『う、うそぉ…』
『あたしにはコレ、本当に大切なモノなの。夕陽ちゃんは、大斗の事もあたしの事も救ってくれたんだよ。大袈裟に聞こえるかもしれないけど、本当なんだ』
咲は春の日差しみたいに暖かく微笑む。
初めて会ったとか関係なくて、咲の話方と言葉から気持ちが染みてきた。