あかねいろ

『昨日、本当は親のとこで何かあったんじゃねぇの?』

『えっ…?なんで?爽やかに帰ってきたよ』


『じゃあ…やっぱ、さっきの…?』


バツが悪そうな顔で聞かれた。


『「さっき」?…何のこと?』


菜穂ちゃんの事は知らないはず…何だろう?


夕陽は屋上を飛び出していた事はスッカリ抜けているようだ。


すると、大斗ははぁぁー。とため息を吐いた。




こいつ…忘れてるし…


『もーいー。心配して損した』


寝込むほどの事言ったのかとかガラにも無く心配したじゃねぇか…

こっちはどんな想いでテメェを探したと思ってるんだ。


『もう、いーや』


それでも何か言いたそうな気がするけど、今はもういーや。

無駄な神経使ってぐったりだ。


お前がいた…

もう、それだけで良かったんだ…




大斗はそんな事を思う。


『もういーや。』

彼の言葉の意味がよくわからない夕陽に大斗は再びそう言った。


次に

『ココ…どこだと思う?』

とボケーッと聞いてくる。

『え?ココ保健室でしょ?』

夕陽は特に考えず普通に答える。


すると…


『保健室…エロいな…』

大斗は意味深な笑いをして呟いた…


ギシッ


次の瞬間。


再度魔王は降臨した。

本当にあたしの上に…。

ベッドに横たわるあたしの上に覆い被さるように降りてきたのだ…。


はぃっ…??


あたしの見上げる上には大魔王。

窓からの光が正に「君臨しました」とキラキラしている。

『ななななにする気っ??!!』


あぁ…

あたしの身体の上に被さった悪魔が不敵に笑っています…


『保健室に居る男と女の「なに」は「何」しかねぇよ』


これはどんな定義ですか?

ニヤリ。綺麗な顔で光を聳えて笑っている。


悪魔用語があたしには理解できません。



か…神様。


この状況が掴めません。

これからあたしはどうされるんですか?

生け贄ですか?

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