あかねいろ


さすが俺様。


『おぅ。出掛けようか?』

待ち合わせを決めると電話を切った。


―――――


『ねぇ?大斗君、彼女居ないの?』

カクテルを手にした女は甘えた声で聞いてくる。

『いないよ。今はこれで充分』

『なんでぇ?ねぇねぇ、じゃぁアタシと付き合ってよ』


嫌だ。

めんどくさい。

別に好きな訳じゃねぇのに付き合ってあれこれ言われるのは嫌だ。


『今は誰かと付き合うつもりはないんだ。だからこうして会いたい、俺はそんなんが好きだな』


大斗にしてみたら相手の瞳を見て、ちょっと言葉を選べれば、一件落着だった。

何とも可愛げのない15歳。

どこで覚えるたのか?


不思議と彼女は少し気分を良くしたらしく、もうそれ以上は聞いてこない。



だからさすがオレ。



いつも大斗はこんな感じだ。

それからは彼は彼で自分の欲求を満たさせてもらうのだった。

相手は満足そうにベッドに寝ている。


まだ15歳である、身体は気持ちと関係なく暴走する。


悪気も相手を想う気持ちも、少しも持っていなかった。


さて、そろそろ帰ろう。

面白いやつも居ることだし、明日は学校に行こう。



もう4月が終わる。



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