あかねいろ

――――――


河原にて打ち上げ。

『神崎君♪かっこよかったね♪』

『どーも…』


それ夕陽に言われたい…

アイツも今打ち上げかなぁ?

変な男に囲まれてなきゃいいけど…


『―…君?神崎君?聞いてた?』

『え?何?』

『あたし…告白してたんだけど…』

『ごめん。興味ない』


とりあえず笑って即答。

人を好きになる気持ち…

それを踏みにじるようで悪いけど…

あなたを知らない。

知らない人にまで優しくはもうしない。

無差別に浮かせる言葉ももうしない。

悪いな。

でも俺。元々出来たヤツじゃねぇから。

『大斗ー!!』

ビール片手にご機嫌な恭次が遠くから呼ぶ。

『告られてたの?相変わらずだな?』

『本気でどうでもいい』

『お前はひぃちゃんに「好き」って言わないの?』

『しょちゅう言ってるよ』

はぁーぁとため息吐いて恭次は続ける。

『バカだね。ふざけて言っても全く無意味だろ?』

言いながらニヤリと笑う


『こ♪く♪は♪く♪』


こくはくっ…?!


夕陽に…?

何だソレ…?


『はぁぁっ!!何だソレっ!!』


『いつまでも燻ってるとあっという間に誰かに持ってかれるぞ』

『…』


パタン。


『あ♪死んだ』

真っ赤になって河原に倒れる大斗。


何だ、ソレ…


あぁ…星が綺麗だなぁ…


夕陽に会いてぇなぁ…



〜♪〜♪〜♪〜♪〜


〈はいはーい?〉

『ぶーす』

〈アンタねぇ?いきなり電話してきてなんなわけ?〉

『別にー』

〈別にってっ用事は何よ?〉


用事?別に無いよ。

声が聞きたかっただけ。


『打ち上げしてんの?』

〈あ、うん♪今ね帰るとこー♪〉

『うん』

〈大斗?〉

『あ?』

〈優勝おめでと♪〉


あ…


『うん…』


星空を見上げる。

夏の前。

涼しい風。

今日の夜風は心地良い…
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