あかねいろ

幻聴…が聞こえる。

俺、お前に文句も言いたいんだ。


そもそも、夕陽が俺の話し、ちゃんと聞こうとしねぇから、いけねぇよ…

お前はいつも勝手に一人で怒る。

一人で余計なこと考えて喚き散らす。

咲の代わりなんて誰がいつ言ったんだよ?

違うくらい解れよ



お前は咲じゃない

夕陽だから良いんじやねぇか?

夕陽が良いって言う話だろ?

このボケッ!!




『やっぱりここに居た』




ついに幻覚まで見えてしまった…


俺、大分イカれたな。

そうだ、今日で4日目…禁断症状が出てくる頃だ。

夕陽に会いたくて…

腹減って餓死しだす頃だ。


こうなったら幻覚に八つ当たりしてやる。



『もう少しこっち…』

『えっ…?』

『したらパンツ見えそう』


ガンッ!!


『イッテェッ!!』


何だよっ?!!

幻覚のくせに鞄落とすんじゃねぇよ?!

やる事マジで夕陽その者…!!


『エロ本の角じゃないだけ感謝しなさいよ!!サル!!』


言う事も夕陽その者…!!

俺の頭すげー!!

妄想本モノ、うり2つ…


でも幻覚なんて要らねぇ。



『お前…ムカつくんだよ』


幻覚がリアルなら文句言って倒していこう…


本モノには優しくできたらな…


早く偽モノを頭から消し去って、本モノに会いに行こう。


いつまでもこんなことしてられない。




俺は幻覚を抱え上げた。





ドッボーン!!!




そして海に投げ飛ばした。


ついでに、つんのめって俺も落ちた。



『んな…なにすんのよぉぉぉぉおおっ!!!!!』




あれ…?



夢か…?



現実か…?





< 451 / 469 >

この作品をシェア

pagetop