あかねいろ
『だっだだだってまだやってないことあるよ?!』
『だからヤルんだろ?』
『そのヤルじゃないわっ!サル!!』
『サルじゃねぇよ!!好きな女とセックスしたいんだ!!だから俺は純粋に健全な人間だバカ!!』
大斗はそう言いながら夕陽を抱いたまま森を抜けて行く。
『だっだってまだしてない!!ほら!!旅行とか?』
『だから連れてってやるよ』
『えっ?どこに?』
『天国…』
ポツリ
「てんごく」って…///
『俺がお前を天国に連れてってやるよ』
って…
『なんかちがーう!!』
『声でけぇっ』
『じゃぁっじゃぁ!!ご飯食べに行こう!!お腹空いてるでしょ?』
『うん♪お前を食うからいい』
『えぅ゙っ!!///』
悪魔は笑顔で本当に楽しそうだしっ
だけどーッ///
夕陽の焦りは軽く流され彼の足取りは軽い。
『うわっもぅっ!!大斗っ?!』
森を抜けて夕陽をバイクの横に降ろした大斗は彼女の両肩を押さえて再び瞳を合わせた。
その顔はとても真剣な顔だった。
『お前は俺とヤリたくないのかよ?』
『ヤリ…やりって!!』
夕陽は視線を外せないまま真っ赤か。
『〇×@&¥★〜ッ!!!』
口をパクパク
『俺んち行く?』
大斗はふわりと笑って優しく問いかけた。
その顔は夕陽がまだ見たことのない笑顔だった。
ドキッ
あたしの心臓はMAXで、なんでこんなになってしまうのかもわからないくらい
今までないドキドキを打ち鳴らしていた。
そして…
やっと視線を外せたと同時に頷いた。
本当はあたしだって…
自分がどうしたいかわかっている
このドキドキの意味も
苦しくて儚い胸の痛みもわかっている。
そして―
きっと大斗は、そんなあたしの気持ちを手に取るようにわかっているんだ。
『うわっ』
下を向く真っ赤な夕陽の顎をクイッと上げてその唇にチュッと軽くキスをした大斗はまたふわりと笑う。