あかねいろ


バスタオルが剥がされて…



シャツのボタンがひとつひとつ外されていく…



その度にキス…


唇に…

頬に…

瞳の横に…


大斗は小さくまた笑う…


腕に…

首筋に…

胸に…

お腹に…

足に…



そして…






あたしに…






キスが降る…





身体中に落とされるあなたの気持ち…




『ぁッ―…』



思わず漏れるあたしの小さな声…



『好きだよ…』



耳元で囁かれる愛しいあなたの言葉…



『うっ…ぁあ゙…す、き…』



何度「すき」と言っても足りないの…


これだけでは現しきれないの…




あたしからもキスをして


少しでも想いが届きますように…


願いを込める…




あたしにとって大斗は…


お日様よりも、温かい…から…



今まで…沢山の人と身体を重ねた…

空っぽの情けない、あたし…


すきな人に…

あたしをすきでいてくれる人に…


いっそ消えてしまえば楽なんじゃないかと思うくらいの

胸の高鳴りを覚えたの



でももう手離せない。



この切なくて甘い感情を知ってしまったあたしは、もう無くすわけにはいかないの



ずーっとドキドキしていたいから




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