あかねいろ
『バカ言えよ。女引っ掻けてたのは恭次だろ。俺は来るもののみ拒まない主義だって。まあ、でも学校の窓割ったのは楽しかったね。机4階から放り投げたり、毎日喧嘩ばっかしてさ。僕も良くここまで落ち着いたものよ♪』
ついこないだの事なのに懐かしい。
『呆れた。最低と思ってたけど、やっぱり。ひどすぎるわ。よく今バレないかが不思議』
はぁーっとため息つきながら夕陽は言ったが、あまりにもメチャクチャな話しにちょっと楽しそうだ。
『騙されてる世間の女子が可哀想よ』
『周りが勝手に盛り上がるだけ。俺は知らん』
『神崎君なんて絶対好きにならないわ』
と陽気に答える夕陽。
『俺もだバカ』
〜♪〜♪〜♪〜
『あー!?ミヨちゃん!!テレパシー?!』
恭次は携帯に向かってそ言って鳴り出した電話に出ながら、2人に手を振り屋上から出て行った。
本当いつも慌ただしいやつ
恭次が居なくなると夕陽は興味津々な様子で、
『ねぇねぇ?神崎君、中学どんなだったのよ?』
『した悪いこと並べたら本が書ける、そう簡単には語れないって』
大斗が我が物顔で答えると夕陽に渋い顔で見られてしまった。
おもしれぇ
本当に女と話してる気がしねぇ
大斗にとったらこんな女の子は初めてだった。
大斗の昔をまた少し知った夕陽。
初対面時の神崎君の印象…
あの不思議な雰囲気…
それはきっと、過去の出来事が関わっているんだろう、な…。
神崎君と恭次君は笑い話で話すけど、そうなるまで色々あっただろうな。
今の大斗と、恭次がした話しに聞く昔の大斗の印象と少々かけ離れているので夕陽はそう感じていた。
それはまだ神崎君の事をよく知らないからだろうけど…
それともすっかり騙されてるかな…?!
夕陽は教室に戻ることを忘れて、色々考えていた。