あかねいろ

―――――

『嫌だって言ってるでしょ?あたしは関係ない!!』

ここは病院ということを知らないのか!大きく騒ぎ立てる声がする。


ガラガラー


突然扉が開くと、綺麗な女の人に腕を引かれて、派手な格好の女の子が入ってきた。


咲だ…


昼間に咲を見るのは初めてだった。

更に酔っぱらっていない彼女も初めて見る。


深夜とは違う乱暴な言葉を吐き、不機嫌そうに立っている。


あの笑顔とは全くリンクしなかった。


『大斗君初めてまして。私、相馬雪那(ソウマユキナ)と言います。この子はわかるわよね?』


着物の女の人が口を開く。

とりあえず頷いた。


『突然だけど、この子にあなたの面倒を見てもらおうと思っているの』


雪那は微笑みと一緒に言葉を紡ぐ。





もちろん、状況を把握できる訳がない。


すると、

『なんで?あたしが子どもなんかとっ!!』

咲が大声を出す。

『落ち着きなさい。咲も充分子どもよ。あなたはまだ16なの。年齢を――』


言葉を遮り咲が叫んだ。



『だから何?親が死んだからって、あたしは赤の他人よ?』


パンッ!!


部屋中に響いた。

雪那が咲を平手打ちだ。


唖然とその様子を…ただ見つめていた…。



痛そう…

違う。


悪いがそんなのはどうでもいい…



"オヤガ シンダ " ってなんだ?


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