あかねいろ
――――
――――――
地元の神社でのお祭りは結構大規模だった。
暖かい空気とちんどん屋の音が混ざって、お祭り特有の世界ができあがっている。
人のざわめきにもテンションが上がる。
南深はハシャいでヨーヨー釣りをしている。
空元気…??
『あれぇ?南深ちゃん?』
南深の名前を呼ばれて振り返ると、同じ歳くらいの女の子が話しかけてきた。
『恭次君は今年は一緒じゃないのぉ?恭次君、最近ご無沙汰でさぁ遊んでくれないんだもん。また新しい彼女でもできたかなぁ?』
わざとらしく嫌な感じに問いかける。
なんだこの子?南深に何を聞きたい?頭くる。
夕陽の不機嫌な表情に気付いた南深は、すかさず
『知らないよ~♪恭次とあたしは関係ないよ。多分来てると思うから探してみなよ♪?』
にっこり笑って明るく答えている。
『ひぃちゃん、行こっか?』
南深は夕陽の手を引いて歩き出す。
どんどんどんどん人並みを掻き分けて、お祭りのざわめきを掻き分けて歩いていく。
『みっみなみぃ…?!』
神社のすみっこでやっと止まって大きくため息をついた。
夕陽は怒りがまだ収まらない。
『ごめん…』
南深は泣きそうな顔をしている。
夕陽は彼女をもう見てもいられなかった。
あたし胸が痛いよ…
『南深!!帰ろう。そうだな?こういう時は、あぁそうよ!!あれだわ?!』
こんな所で話すのは嫌。いつも明るい南深が、このざわめきに消えてしまいそう…そんなの嫌っ。
今度は夕陽が南深の手を引いて歩き出す。
『ひぃちゃん?どこいくの?!』
なんだか、夕陽は何も言えない。
何を言ったらいいかわからなかった。
ただ南深の手をしっかり握って歩いて行くだけ。
次第にお祭りの音が遠ざかっていった…
――――――――――
『ここ…?』
浴衣ではかなり不釣り合いな場所。お洒落な看板がチカチカ光っていた。
夕陽は南深の手を引いたまま階段を降りていく。
しまった。何で?!気付いたらここに来ちやった…。
『あれ?片桐さん?!』
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地元の神社でのお祭りは結構大規模だった。
暖かい空気とちんどん屋の音が混ざって、お祭り特有の世界ができあがっている。
人のざわめきにもテンションが上がる。
南深はハシャいでヨーヨー釣りをしている。
空元気…??
『あれぇ?南深ちゃん?』
南深の名前を呼ばれて振り返ると、同じ歳くらいの女の子が話しかけてきた。
『恭次君は今年は一緒じゃないのぉ?恭次君、最近ご無沙汰でさぁ遊んでくれないんだもん。また新しい彼女でもできたかなぁ?』
わざとらしく嫌な感じに問いかける。
なんだこの子?南深に何を聞きたい?頭くる。
夕陽の不機嫌な表情に気付いた南深は、すかさず
『知らないよ~♪恭次とあたしは関係ないよ。多分来てると思うから探してみなよ♪?』
にっこり笑って明るく答えている。
『ひぃちゃん、行こっか?』
南深は夕陽の手を引いて歩き出す。
どんどんどんどん人並みを掻き分けて、お祭りのざわめきを掻き分けて歩いていく。
『みっみなみぃ…?!』
神社のすみっこでやっと止まって大きくため息をついた。
夕陽は怒りがまだ収まらない。
『ごめん…』
南深は泣きそうな顔をしている。
夕陽は彼女をもう見てもいられなかった。
あたし胸が痛いよ…
『南深!!帰ろう。そうだな?こういう時は、あぁそうよ!!あれだわ?!』
こんな所で話すのは嫌。いつも明るい南深が、このざわめきに消えてしまいそう…そんなの嫌っ。
今度は夕陽が南深の手を引いて歩き出す。
『ひぃちゃん?どこいくの?!』
なんだか、夕陽は何も言えない。
何を言ったらいいかわからなかった。
ただ南深の手をしっかり握って歩いて行くだけ。
次第にお祭りの音が遠ざかっていった…
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『ここ…?』
浴衣ではかなり不釣り合いな場所。お洒落な看板がチカチカ光っていた。
夕陽は南深の手を引いたまま階段を降りていく。
しまった。何で?!気付いたらここに来ちやった…。
『あれ?片桐さん?!』