ありがと。
第3章「誕生日」
―バタバタバタ…―
―ガラッ―
私は勢いよく
教室のドアを開けた。
よし、
成夜居ないっ
成夜は朝から
あんまり学校に
来ない。
いつも遅刻してて
3·4時間目に来る。
「優美どーした?」
「えらい急いでんね(笑)」
クミとジュリが
窓側の席に座って
話していた。
「ちょっ!!
あた…たんじょ
出来たああ!!」
早く言いたいのに
口がうまく回らない。
「はあーん(笑)?」
2人は首をかしげて
爆笑している。
「だっから!!
あたし誕生日に
成夜と遊ぶのっ!!」
2人は笑うのをやめ
私の手を取った。
「うそおー!!まじ?」
私はコクコクと
首を縦に振る。
2人は
自分の事のように
喜んでくれて
私を入れて朝から
3人でキャーキャー
騒ぎ続けた。
そう
昨日、
成夜とのメールで
私の誕生日11/12に
遊ぶ約束をした。
誕生日…
成夜と過ごせる。
もう 嬉しくて
早くクミとジュリに
伝えたくて家から
学校まで急いで来た。
スカートのひだが
ぐちゃぐちゃでも
ルーズが
下がってきても
ワックスで
整えた髪が
爆発しても
嬉しくて 嬉しくて
私の頭は
何着ていこう
メイクどうしよう
何処にいこう
何喋ろう
手とか繋ぐのかな?
そんな考えが
ぐるぐる回っていた。