ありがと。


それから

学校の話や
進路の話…

他にも沢山話した。

あの沈黙以来
話が途切れる事はなく
2人で芸能人の
マネをしてみたり
音楽を聞いたり
DVDを見たりと

とても

とても
楽しい時間が

過ぎていった。


夕方6:00ごろ

冬に入りかけているのか
外が暗くなるのが早い。

成夜の部屋で
電気もつけず
2人で転がって
笑いあっていた。

部屋は真っ暗。

時々外の車の明かりで
成夜の顔が照らされる。

学校とは

違う成夜を見れて

私は すごく


ドキドキした。


「成夜、今日ね
あたしの
誕生日なんだ」

本音がポツリと

こぼれてしまった。


「うえっ!?
本気で言ってる?」


やっぱね…

知らなかったんだ。


少し残念だけど

今日1日が私にとって
何よりのプレゼントだよ。

「本気だしっ…
知らなかったでしょ?
成夜のばーか」

私はすねたフリをして
そっぽを向いた。


「ごめん」


成夜があまりにも
本気で謝るから

私は申し訳ない
気持ちになって

別にいいんだよって
言おうと

成夜の方を向いた。


―コツン―



えっ… なに?



成夜の顔が
目の前にあった。

私のおでこと
成夜のおでこが
重なりあっていた。

その状況を
理解した私の顔は
反射的に赤くなる。


恥ずかしい…


けど



幸せな時間。



―チュッ―

今度は
私の唇と
成夜の唇が
重なっていた。


「これが誕生日
プレゼント(笑)」


そう言って
照れて笑う

成夜の顔が

どうしようもなく


愛しく思えた。



最高の

プレゼントだよ。




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