ありがと。

「どっか行こ?」

成夜はそう言って
右手を差し出す。

この光景が
信じられないぐらい

嬉しくて

嬉しくて

笑顔でうなずいて
手を繋ぐ。

「時間大丈夫か?」

携帯を見ると
7:30を回っていた。

「多分、だいじょぶ」


成夜の前では
考えるフリを
してたけど

ほんとは

時間なんか

どーでもよかった。


時間なんかより

成夜と一緒に

過ごせる瞬間が

私にとって


1番

大切な

時間だった。


成夜と話しながら
行きついた所は
公園だった。

ベンチに座り
久しぶりに
二人っきりに
なれた私達は
話す話題が
尽きなかった。


空からは

たくさんの星が

降っていた


「ねえ、ここさ
2人だけの場所に
しよーよ」

私は綺麗な夜空に
感動してか

普段は
言えないような
恥ずかしい事も

今は本音が
スラスラ言えた。

「ん、いーね」

成夜は
あっさり
答えてくれた。

「やったあ~!!」

「別にいいけどさ
ここで何すんだよ(笑)」

成夜が笑いながら
私を見つめる。

「だからね、ここで
言いにくい話とか
喧嘩した後の仲直りとか
他にも遊ぶ時とか
何かあった時には
ここに来たら
素直に話せる気がする。
だからここを
2人の思い出の場所に
したいな~って思って(笑)」

不思議と今の気持ちを
成夜に正直に言えた。

成夜は優しく
微笑むとギュッと
抱き締めてくれた。

「うん…」

そうつぶやいた

成夜が

何故か

悲しそうで…


「…何かあった?」

無意識に
言葉が出た。

「何もないよ。
…ただ、そうなったら
この場所に来ると
絶対優美を思い出すな
って思っただけ」


その言葉は

良いようにも

悪いようにも



聞こえた。





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