ありがと。

成夜の

抱き締める力が

強くなる

「う~、苦し…」

私は成夜の腕を
軽く叩いた。

「すげえ!!」

いきなり成夜が
大声で言った。

「な…なにが?」

私はびっくりして
成夜を見た。

すると成夜は
空を向いていた。

私も同じように
空を見ると

夜空一面に
さっきの夜空以上に

何億個という
星が輝いていた。

「こーしてみ!!
もっとよく見える!!」

成夜はベンチに
仰向けになっていた。

その少年のような
はしゃぎぶりに
笑いつつ私も
同じ体制になる。

「すご…」

私はあまりの
美しさに言葉が
出なかった。



綺麗

なんか…

時間が
止まったみたい



ん…?

時間…やばっ!!!!



私は慌てて
携帯を見た。


もうすぐで8:30…

さすがにお母さん

怒ってるよね…



私は起き上がり
まだ仰向けに
なっている成夜の
手を引っ張った。

「あたし帰らなきゃ!!
成夜っ、ほら起きて」

成夜をぐいぐい
引っ張るけど
彼は夜空を見ながら
「ん~」と言っている。


―グイッ―

いきなり成夜が
私の手を逆に
引っ張った。

その反動で私は
成夜の上に
乗っていた。


「あ~落ち着く(笑)」

成夜は私を
抱き締めた。

「ちょっ…
車とか来るし…
見られるよっ!!」


もちろん
公園だから
人や車が沢山通る。

「いいじゃん。
見せつけて
やろーぜ(笑)」


私は一生懸命に

成夜の香りや

心臓の音を

忘れないように


コピーする。


私の心は

幸せで
いっぱいだった。

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