ありがと。
「そんな奴だとは
思わなかった!!
最っ低…
優美さ、
無理しなくて
いいんだよ?
あたし達の前では
泣いてもいいんだよ…」
そう言った
クミの語尾が
震えていた。
ついに私は
こらえきれなくなり
涙を溢した。
「分かんな…い…
ムカつくんだけど…
…っ…悲しい…。」
「悲しい?」
ジュリが私の肩を
さすりながら
優しく聞いてきた。
「ムカつくよ…?
でも…っ…今までの
思い出すべてが…
偽りだとは…
思えない…。
こんなのを
思ってるのは
私だけ…って
分かってるから
かな…しい」
「もう、そんな
最低な奴の事なんか
忘れちゃいなよ?」
「そうそう…
優美の気持ち
よく分かったよ。
あたし達優美の
支えになりたいの」
気付いた時には
3人で泣いていた。
教室に戻ってきた
生徒が何事かと
私達を見ているのを
気にも留めず
ただ ただ
3人で泣いていた。
最後には3人で
お互いの顔の
ヒドさを見合い
大笑いし
教室を飛び出し
屋上で死ぬほど語った。
クミ ジュリ
ありがとう。
こんな弱っちい
あたしの側に
居てくれて
2人のおかげで
今笑えてるよ?
まだ幼かった私は
はじめて知った。
友達の大きさ
比べる事の出来ない
…大切さ。
ありがと。
それでも、
幼かった私に
成夜の
本当の気持ちを
知るのは
まだまだ
後になる。