ありがと。


クミとジュリと私で
少し遅刻して
教室に入ると

成夜が居た。


あ、

一瞬

目があった



私は恥ずかしくて
目を即座にそらす。


「3人で遅刻とは
いい度胸だな~」

先生は半笑いで
私達を横目で見る。

「すいませーん…」

ジュリが髪を触りながら
先生に笑いかける。

モデル体型で笑顔が
とても可愛いジュリに
担任は何でも許す。

クミはあくびを
しながら席につく。

うるさくて目つきの
悪いクミは皆に
結構怯えられている。

普通に大股で授業中
爆睡してるしね…

HRが終わると
さっそく2人は
私の席に寄ってきた。

「付き合いたては
初々しいね~(笑)」
「本っ当ー♪」

2人はわざと
大きい声で私に
話しかける。

それを聞きつけた
クラスの女子数名が
私の席に集まってくる。

「えっ、優美
彼氏出来たの?」
「誰ーえ?」
「今度は長続き
すんのかな(笑)」

一斉に話しかけられる。


うわあー

どうしよ


「そーでっす♪」

目立ちたがり屋の
クミが仕切る。

クミは目で私に
言ってもいい?
と問いかけてくる。


こーなったら

しょうがない…

私は人差し指と
親指でOKマークを
作った。

クミは待ってましたと
言わんばかりに
大声で言い出した。

「野田優美はー
昨日から志摩成夜と
付き合ってまあす!!」


クミ…

声でかすぎるよ…


女子は一斉に騒ぎだす。

そんなこんなで
私と成夜の噂は
あっという間に
学校中に知れわたった。


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