ありがと。

そのまま
学校で喋る事も
一緒に帰る事もなく


私は

何も
知らないまま…

月日だけが
過ぎていった。


ただ1つ

嬉しかったのは

たまに

目が合う事
ぐらいだった。


そして11月に入った。
私と成夜との噂を
知らない人は
ほとんど
居ないぐらいに
広まっていた。


「あー、もう幸せ」

昼休みに私は
クミとジュリの前で
満面の笑みで言った。

「うっざー」
「メールだけで
進展無いくせに
調子のんなー(笑)」

図星をつかれて
一瞬固まったが
すぐに笑い流した。

「そーなんだよ…
あたしだって成夜と
遊びたいって思うけどー」

「成夜シャイだかんね」

ジュリがアイラインを
引きながら言う。

「あっ、そーいえば」
クミがいきなり
私を指差して
言い出した。

「優美さあ、
今月誕生日じゃん?」


あ… 本当だ


「12日っしょ?」
「うん♪」

「その日成夜と
遊んでみたら?」

クミがニヤニヤしながら
楽しそうに言う。

「えーっ!!
無理だよお」

「大丈夫だって。
メールで何とな~く
聞いてみたら?」
「成夜と
遊びたいんでしょ?」


…確かに。

大好きな人と
誕生日を過ごせたら
どんなに

幸せだろう

「今日…聞いてみる」

私は心に決心した。




15歳の

誕生日。


生まれて

15年目の日。


それを


成夜と一緒に




過ごしたい。




< 9 / 28 >

この作品をシェア

pagetop