LUCE
そして、あたしたち3人も
将斗くんと、聖紀くんから
ある人の紹介を受けた。

「こいつ、志岐 優斗。
俺らの親友なんだ」

「よろしく」
と軽く挨拶される。

優斗くんは美桜さんに似て、
人のよさそうな可愛い顔だけど、
どこか寂しそうな目をしていた。

そんな優斗くんは、
あたしの顔を見て、
お母さんの美桜さんと同じように、
目を大きく見開いて驚いていた。


そしてまた美桜さんと同じように、
「みか…げ?どうして…?」
と呟いて、固まってしまった。

どうして美桜さんも優斗くんも
あたしを見てそんなに驚くんだろう。
なんで2人で同じ名前を呟くんだろう…。

あたしはその理由を聞こうと、
固まってる優斗くんに声をかけようとした。
でも、タイミング悪くチャイムが鳴り、
2年で初めてのHRが始まってしまった。


HR中、あたしの頭の中は、
美桜さんと、優斗くんの言葉でいっぱいだった。




「…いむ!来夢!始業式始まるよ!」


いつの間にか眠ってしまったらしい。
真恋が名前を呼んで起こしてくれた。
もうHRはとっくに終わって、クラスのみんなが
始業式の行われる体育館へと移動していた。


あたしも真恋と春音に謝って体育館へと急いだ。

退屈な始業式は、真恋とずっと話していた。

「まったくもう!何で年度初のHRで寝られるのよ!
信じらんない。担任に見つからないなんて、奇跡よ」

「ごめん。考え事してたら、いつの間にか寝ちゃったみたい」

「もう、気をつけなさいよね。
で、今日学校終わったら、みんなで遊び行くんだけど、
来夢も行くよね?」

「どこに?」

「カラオケとかじゃない?」

「親からOK出れば」

「んじゃ決定ね!」


そんな会話をしているうちに、退屈だった始業式も、
いつの間にか終わっていた。




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