LUCE
優斗くんたちに出会ってから、半年が過ぎた。
10月、それまでも日々は平凡だった。
そしてこれからも平凡に過ごすんだと思っていた。

ある晴れた日曜日、今日はお父さんが一時帰国していた。

「よしっ!今日はお父さんもいるし、みんなでどっか食べに行きましょ」

「うん。でもお前仕事まだ残ってるんじゃないのか?先に仕事片付けちゃえば?」

「いいのよ、まだ。これ、そんなに急ぎの仕事じゃないの。だから平気よ」

「そうなのか。じゃあ今日は俺の奢りな!」

「「「やったー!!」」」

お父さんが帰ってきたのは1年ぶりだった。
仕事が忙しかったらしく、最近はメールも電話もあまりしていなかったので、私たち姉妹も、お母さんもお父さんと会話をするのは随分久しぶりだった。
外食に行った先でも、愛夢はずっとお父さんにべったりだった。
いつにもましてマシンガントークをする愛夢だったが、たまにはこんな日もいいかもしれないと思った。


家族でご飯を食べに行き家に帰ってきてすぐ、喋りつかれたらしい愛夢は早々に眠りに就いてしまった。
あたしも久しぶりにお父さんに会って、無意識のうちに浮かれていたらしく、いつもより早い時間にベッドに入ることにした。

「おやすみ」

「来夢もう寝るの?今日は早いじゃない」

「うん。なんかちょっと疲れたから」

「そう。ゆっくり休みなさいね」

「もう寝るのか?おやすみ」

「うん。おやすみ、お父さん」


あたしはベッドに入ってすぐ眠りに就いた。



「……ん」

なんだか夢見が悪くて、目を覚ました。
時計を見ると午前1時半。
このまま寝ても寝付けそうになくて、水を飲もうと下へ降りた。
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