あなたしか居ないっ
自分の家の前まで季吏を送ると、
「じゃっ!今日はありがとう。」
そう言ってあたしは回れ右をする。
すると季吏はあたしの腕をガシッと掴んだ。
「はっ?このまま返すわけねえだろ?」
「えっ?あれ…」
「え?じゃねえだろ。今日イブだぞ?」
「えっうん。だってそれなりって言ったじゃん。」
「は?だからそれなりっつったらそーだろ普通。」
…………………。
あたしはただ単に
今日明日会ってデートするだけだと思っていた。
まさか季吏の言うそれなりって…そっちの、、、
「ええっ!!!いきなりは無理!!」
「お前がそれなりって言ったんだろ?」
そう言う季吏は口角を上げて意地悪い笑みを見せた。
「え…あ、う。あの…ちょ、まっ」
「もう遅いって。」
季吏はからかうように
そう言うとずるずると自分のマンションに
あたしを引きずっていった。
「いーーやぁーー~。」