あなたしか居ないっ
居てもたっても居られなかった。




ミキに繋がれていた手を振り払い
人混みの中を掻き分け無我夢中で希吏を目指した。


「麗衣!?待てよ!」

後ろからミキの声が聞こえてきたが
あたしの耳には入らない。



やっとの思いで希吏の前につく。

歩きにくい浴衣のせいで足元が少しはだけているのも気にくわない。





「きり…、希吏…」


名前を何度も呼ぶ。




















「麗衣………。」






希吏の声を聞いた瞬間涙が溢れた。

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