あなたしか居ないっ
「なん…で…ヒック………何ですぐ、帰って…こ…ヒックな…いの?…何…やってんの?」
みっともない。
こんなだだこねてる子供みたいだ。
こんなんじゃ希吏に嫌われても仕方ないじゃないか。
恥ずかしい。
「麗衣!」
後ろからミキが走ってきた。
ミキはため息をつき、
キッと希吏を睨みつけると
「おまえ何やってんだよ!麗衣ほったらかしてほかの女とイチャこいてんなよ!!」
と怒鳴った。
ぎゅっとあたしの肩を抱くと、
大丈夫?と指で涙を拭った。
「ありがとう…」
ああ、もう終わるんだ。
あたしと希吏。
あたしの初恋は
早くもおわってしまったのか。
頭の中でもう整理を始めている。
1ヶ月たったかたってないだとか、
旅行はどうしようかとか、
なんだかんだで一緒にココアを飲んだ
あの日に借りたままだったマフラーはどうしようだとか、
いろいろな考えが頭を巡った。