あなたしか居ないっ
「ごめんってゆうくらいなら何で俺を呼んだんだよ。」
「だって…」
「だってじゃねえよ。ふざけんな。」
怒鳴ると言うよりは呆れている。
何だかんだこの子には優しい季吏に胸の奥がズキッとした。
「で?話終わった?お前がそんなだったら俺もう本気で行くよ。」
ミキが2人の会話に突っ込んだ。
「取れるもんなら取ってみろよ。」
「へえ。言うねー。どっから来んの?その自信。」
「自信なんかねえよ。俺はただ、取られても奪い返すだけだっつってんの。」
「ああ、そう。じゃあ遠慮なく。」
そういうとミキはくるっと向きを変え
あたしの手を引っ張り出した。
「えっ、ちょどこ行くの?」
「麗衣!!」
希吏が後ろから叫んでいるが追ってこない。
ミキはズンズン歩いていきあたしと季吏の距離を離していった。