あなたしか居ないっ


『ぁ、…そうですか。そうですよね!高校生ですしね。』


『ああ。同じクラスの、知紗っていうんだけど、近所に住んでるんだ。今度麗衣にも紹介するよ。』

楽しそうにそう言う先輩。

『はい、楽しみにしてます。』

今にも涙が出そうな顔に無理やり作り笑いをさせる。


心臓をえぐり取られるような気分だ。


2年もの間あなたを想って来たのに、たった1週間前なんて、

なんでもっと早く告白しなかったんだろう。

そうしたら両思いだったというのに。


そう思うと悲しくて、悔しくて、惨めで、


色んな感情が頭の中で交差しぐちゃぐちゃになる。



でもただただ、

先輩の前で泣いてはいけない。悲しませてわいけない。

と自分より先に先輩の事を考えている自分がいる。



『………おめでとうございます。…』

笑顔を振り絞って祝福の言葉を送った。





『ああ、ありがとう。』

先輩の満面の笑みを見て、私わ悟ったんだ。

ああ、彼女が好きなんだな。って。

そのときスッパリ諦めようと思ったんだ。。。

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