あなたしか居ないっ
希吏が消えていったリビングの方を見ながら、
「あのさー希吏。」
「あー?何ー?」
向こうの方から希吏の声がする。
「冬休み空いてる?」
……………。
返事がない。
と思ったら、
リビングの方から顔だけ出して希吏がこちらを向いている。
「何?俺とデートして欲しいの?」
なんて真剣な眼差しで見てくる。
………。うん。いちいち反応してたら身がもたない。
そこに関しては、スルー決定で。
「なんか友達がさ、彼氏も連れて旅行行くみたいなんだけど、
友達に希吏の事話したらどーしても会いたいっつんだよね…。」
マフラーを持って希吏が戻ってくる。
「は?……旅行?いや…俺は別に構わねーけど、彼氏同士って何?」
あっブラックスマイル…。
「あ、いやほらトリプルデートって奴だよ。」
「うん。人数わどうでもいんだよ。
デートっつう前に俺らカップルじゃねえじゃん。」
「うん。。。。え?だから?」
「………。」
あきれ返っているご様子の希吏さん。
何でか未だに想像が着かない、私わ
多分鈍感なのであろう。
「カップルっつったら、部屋割り俺とお前の2人になんだろうが。」