あなたしか居ないっ
──中学3年生
始業式。
席に座っていると、
ガタッ─。
隣の人も席についた。
異様に視線を感じる。
見ると
ニコニコと笑う中学3年生の頃のミキの姿。
『おれ桐原三樹雄(キリハラ ミキオ)。ミキでいいよ!そっち名前は?』
『あっ夏木麗衣です。』
『ふーん麗衣ちゃんかあ!可愛い名前だね!!アドレス教えてよ!』
『えっ良いけど。』
そして呆気なくアドレス交換をした。
すると
『これからよろしくね、麗衣ちゃん。』
そういってミキわ
席を離れた。
一瞬の出来事でボケーっとミキを見つめる。
するとミキの後ろに女の子の取り巻きが
5、6人居た。
『ねぇ~ミキ、アド教えてよぉ。』
『え~また今度ね。』
『いいじゃーん。』
なんて言いながら教室を出ていく。
あたしにはさらっと聞いてきたのに、
でも深くわ止めなかった。
だってその頃にわすでにあの先輩の虜だったんだから。