あなたしか居ないっ
ズンズンと歩く先は
私がいっつも地元に帰る時乗るバス停を通り抜け、
近くにある
地下鉄の駅に向かっていた。
勝手に何処行きかの
切符を2枚買い、私に渡す希吏。
切符を通し、
地下鉄に乗り込む。
「もうそろそろ教えてよ。」
「さあ─何処でしょ?」
なんて言いながら
電車の扉に寄りかかっている。
そんな姿さえ、様になってしまうから
悔しい。
周りの目が気になる。
(やっぱこいつモテるんだな…)
そう思うと、こんな私が希吏の彼女で
いいんだろうか。
やっぱり不安になる。
"K大学前─K大学前─"
地下鉄のアナウンスが流れる。
この駅は利用者が多いから
混むんだよね。
思ってた通り、
電車内は満員になった。