天使のしずく


私はふとある言葉を思い出す

「一人で抱えこまないで……」



ゆり……

もう私一人で
抱え込むのは嫌

がらっ
病室のドアが開く

「ゆり……」


「なんか心配になっちゃった」

「ありがとう

ちょうど

聞いてほしい事が
あったの

今優が
美咲の名前呼んだの


私別れようと思う」

「え?!」

「ごめんね
ゆりは応援してくれてたのに……」

「いや
いいけど

あいりは
いいの?」

「もう
傷つくのは

嫌なの」


ゆり

私を傷つけていたのは

彼ぢゃなかった


まるで

前に進めない自分を
見てるみたいで

すごく
辛かったの

傷をつくっていたのは

自分自身

結局弱くてずるい

自分自身
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