天使のしずく


「あいりぃぃ」
後ろからまりの声が
して私は振り向く

「おはょ−」
「今日も朝帰りかしら?
いいわね−
あんな素敵な彼氏がいてぇぇ」

まりが嫌味ったらしく
言う


「別に朝帰りぢやないし!!」

私はまりの肩を強めに
たたく

「でも
よかった」

「なにが?」

「まだ
利人の事引きずってると思ってたから……

あいりは色々辛い
思いしてきたんだから
幸せになんなきゃ
だめだょ!!」

まりが
めずらしく
熱くなって
話す

周りの人達が
不思議そうに
振り返る


「なんでみんな振り返んのよ

絶対幸せになれょ」

まりがいつも通りの
落ち着いた口調に戻る
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