天使のしずく


私は静かに
ドアを閉めて

引き返す


会いたくない……

本当に?

会いたくない?


逃げてるだけぢゃない?

向きあう事が
怖いだけぢゃない?


答えはどこ?

私の本当の気持ちは
どこにあるの−?


よみがえる記憶



小さい頃の
消えかけた

暖かくて優しい記憶


三人で手を
つないで
笑いあった
あの日には

もう戻れないの?

私はその場に座りこむ
「あいり?」
聞き覚えのある声がして
私は顔をあげる


「どうした?」


私は目にたまった涙を
拭いて顔を上げる

「なんでもないよ」

私は笑いかける

「「泣いてんぢゃん」

「優にはわかんないよ」

「は?」


「優のお父さんとお母さんは優しい人だったでしょ?優はいいよね友達もたくさんいて
一人ぼっちだなんて
感じた事なかったでしょ?」

私は立ち上がって
その場から離れようとする
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